社会に新たな価値を創造するベンチャー/スタートアップ企業は、仕事のやりがいだけでなく、今後の成長という意味でも非常に魅力的な転職先です。そこではどんな人材が求められているのか、ポイントを絞って解説します。
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ベンチャー/スタートアップ企業とは?
「ベンチャー」や「スタートアップ」とはそもそも一体どんな企業のことを指すのでしょうか。
ベンチャー/スタートアップ企業は、「社会に新たな市場を創出する」、「独創的な技術を有している」、「かつてないベネフィットを提供する」など、何らかの新規性を備え、急スピードで成長しながら、チャレンジし続ける企業のことです。
現在、転職先としてそうした企業を志望する人はますます増えています。その理由は、自分で裁量を拡大して仕事ができるというやりがいのほか、社会への貢献度、社会の中でのインパクトなど、ベンチャー/スタートアップ企業ならではといえる多くの魅力があるからです。
今回は、その中でどのような人材が求められているか3つのポイントにまとめてみました。
1. “不確実耐性”とフレキシビリティを備えている
ベンチャー/スタートアップ企業にフィットする人材としてまず必要なのは、「不確実なものごとへの耐性」を備えていることです。
新たな道を切り拓いていくベンチャー/スタートアップ企業は、常に前例のない困難と隣り合わせでもあります。「やったことがないから躊躇する」「先が見えないと動けない」という慎重すぎる姿勢よりも、「やったことはないが挑戦する」「動きながら軌道修正する」という力が必要です。
また、自身の専門領域に捉われず、幅広い業務に対応できるフレキシビリティも重要な要件となります。単に何でも屋になるということではなく、専門性を保ちつつも、守備範囲を広く持つ・拡げようとするという柔軟性を持つことが、ベンチャー/スタートアップ企業で活躍するうえで非常に重要です。
2.ベースの仕事力が高い
新規性が高いビジネスを展開するベンチャー/スタートアップ企業では、同じ内容の仕事をやったことがある人というのはなかなか見つかりません。そうなると、専門性や直接的な業務経験というよりも「ベースの仕事力」が重要です。
コンピュータにたとえるなら、アプリケーションのレベルではなく、OSのバージョンやCPUやメモリなどのスペックが高いことが求められます。具体的には、本質的な課題を捉える力がある、論理的思考能力や問題解決能力がある、コミュニケーション能力が高い、など、仕事の基礎となる本質的な能力のことです。
こうした「ベースの能力」が備わっていれば、業務の専門性などは後から十分にキャッチアップできると考える企業は多くあります。
3.いろいろなタイプの人を巻き込む能力
経歴もバックグラウンドもさまざまな人材が働くベンチャー/スタートアップ企業で欠かせないのが「いろいろな人と」うまくやれる能力です。
もしあなたがいわゆる大手企業一社での経験しかないのであれば、考え方も行動原理もま違う、これまでに出会ったことのないタイプの人たちと一緒に、現場を動かしていく必要があるかもしれません。
これまでの経験を活かし、どれだけすばらしい分析や企画を示したとしても、「どうだ」とばかりに上から指示するだけでは、現場の反発にあい、その価値に見合う成果を残せなくなる可能性もあります。
これは社内調整とも違うものです。同じ船に乗っているクルーとして、日々、いろいろな人を巻き込み、ともに動き・動かしていける能力が必要なのです。
メガベンチャーという選択肢
一方で、メガベンチャーという選択肢もあります。メガベンチャーとは、ベンチャー/スタートアップ企業の規模が大きくなっただけではなく、現在も高い成長性を保つためにチャレンジを続ける企業のことです。GAFA(Google、Apple、Amazon、Facebook)、国内ではファーストリテイリング、ソフトバンク、DeNAなどが、その代表例といえます。
特に、大企業から転職を考える人にとっては、いきなり少数精鋭のスタートアップに飛び込むのはこれまでとあまりに違いすぎて不安なこともあるでしょう。その場合、メガベンチャーは良い選択肢になり得ます。
一般的な大手企業との大きな相違点は、経営陣もメンバーも「今もベンチャーである」との自覚を持っているということです。そういう意味では、メガベンチャーでも、チャレンジをいとわないスピリットを持った人材は求められていますが、スタートアップで必要なベンチャースピリットとは若干異なっています。
詳しくは「メガベンチャー企業への転職」記事を参照してみてください。
ベンチャー/スタートアップ企業を志向する人は、すでに新たな可能性へのチャレンジに賭けてみたいというスピリットを持っている人たちです。これまでのセオリーや経験だけでは通用しない厳しい部分も確かにありますが、あなたが持っている能力を生かせる場所はきっとあるはずです。具体的な選択肢としてぜひ検討してみてください。