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スタートアップで企業価値$1B(約1,000億円)を超える未公開企業はユニコーンと呼ばれており、「ユニコーンクラブ」という名称で定期的に企業価値$1Bを超える企業が公表されています。
「スタートアップ=シリコンバレー」というイメージが一般には強いですが、実は米国以外の国でのユニコーンがこの数年増えてきています。図1に、CB Insightsが公表したユニコーンクラブの地域別シェアを示しますが、2013年には23%だった米国外のユニコーンクラブのシェアが、2017年の直近では73%まで伸びており、この数年でシリコンバレーがもつスタートアップエコシステムが米国外のあちらこちらで構築されてきたと言えます。
図1.ユニコーンクラブの地域別シェア(出所:CB Insights)
図2に、同じくCB Insightsが公表した米国外のユニコーンクラブを示します。特に中国の躍進が目立っていますが、中国以外の国でもユニコーンクラブの企業は増えてきています。日本は残念ながらユニコーンクラブのメンバーはメルカリ1社であり、隣の韓国よりも少ないのが現状です。
図2.米国外のユニコーンクラブ(出所:CB Insights)
日本で大型のスタートアップが育たない理由として、スタートアップエコシステムがないからだという議論がよくなされます。スタートアップエコシステムとは、新しい大きなビジネスの構想を考える人達がいて、そこに大きな資金を集め、構想を実現する能力のある人材を集め、構想を実現し、それによって新しい産業が育ち、そこで生まれた利益が更に次の大きなビジネスの構想に投資されて、更に新たな産業が生まれる、というサイクルが循環する仕組みです。
シリコンバレーにはエコシステムがあるからスタートアップが大きく育ち新たな産業が生まれるが、日本にはエコシステムができていないからスタートアップが育たないと言われますが、図1、2からわかるように、米国外でもユニコーンが生まれるエコシステムがスピーディに形成されており、エコシステムは努力すれば作れるものであることがわかります。
2015年の「グローバル・アントレプレナーシップ・モニター」の調査と各国人口統計からの推計によると、起業初期または準備中の起業家は世界で4億人を超え、中国は約1億2,000万人、インドは約8.700万人、インドネシアとブラジルは約2,800万人と、米国の2,300万人を大きく超えており、この数字からも米国外でスタートアップエコシステムができあがってきていることがわかります。
現在、文部科学省では、「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」というプログラムが動いており、地域の活性化と大きな産業創造の両方を実現する努力がなされています。また、経済産業省の新産業構造部会で日本にスタートアップエコシステムをどう作っていくか議論がなされていますが、日本からユニコ―ンクラブのメンバーが多く生み出されることを意識した施策が打たれることを期待したいと思います。
岩本 隆|慶應義塾大学大学院 経営管理研究科特任教授
東京大学工学部卒業。UCLA博士課程修了(Ph.D. in Materials Science and Engineering)。モトローラ、ルーセント・テクノロジー、ノキア、ドリームインキュベータ(執行役員)を経て、2012年より現職。成長企業の戦略論、新産業創出に関わる研究を実施。
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Topics: 成長企業の採用論