自分自身のキャリアの形がなんとなくつかめてきて、これから本格的に企業の情報を集めようとした場合、どんな視点から、どんな判断基準で選びますか?ただやみくもに数を集めるだけでは、絞り込むのも一苦労です。無数にある企業から、自身のキャリアプランとマッチする会社を選ぶために、注目すべきいくつかのポイントがあります。
- 目次
1.事業内容 -そもそも何をやっているのか-
産業分類における業種ではなく、その会社が実際に何をやっているのかをきちんと知りましょう。当たり前に聞こえますが、その会社が「本質的に」何をやっているのかを理解しないまま面接に臨む人が多くいます。具体的には、「誰に何を売っているのか」「どうやって利益を得ているのか」など。同じ業種でも扱うサービスや顧客が違えばまったく違う事業内容になります。とても基本的なところですが、外せない重要なポイントです。
2.優位性・特長 -何がすごいのか-
その企業が、どんな新しさや特異性・優位性を持って、それを世の中に打ち出しているのかに注目してみましょう。「商品・サービスの面白さやユニークさはどんなところにあるか?」「類似、競合他者と比べて勝っている点はどこなのか?」「なぜ顧客は他社ではなくこの会社から買うのか」について、洗い出してまとめてみるとよいでしょう。
3.風土・雰囲気・カルチャー -どんな会社なのか-
その会社が「何を大切にしているか」という企業文化を知ることも重要です。しかしながら、こうした社内の風土や雰囲気は、ポリシーやモットーとして明文化されていない場合も多いため、実際にオフィスに行ったり、面接ではない形で社内のメンバーに会って話を聞いてみることが理想です。これは、伝手がなければ難しい場合もありますが、オファーが出たあとなら実現しやすいこともあります。ぜひ機会を作ってその会社で働いている人たちに会ってみるとよいでしょう。
4.規模やフェーズ
会社のもともとの規模の大小だけでなく、その会社の成長フェーズにも注目しましょう。たとえば、少人数体制のスタートアップで求められる人材と、メガベンチャーが立ち上げる新規事業で求められる人材はもちろん違います。その会社がどういった状態で、どういう人材が必要なのか、自身のキャリアイメージとどんなフィットやギャップがあるのか見極めることが大切です。
5.仕事内容と条件
求人票に書かれている表面的な仕事内容だけでなく、その背景にも着目しましょう。「なぜそのポジションを採用したいのか」「どんなミッションがあり、何を解決したいのか」「どういった人材を求めているのか/それはなぜか」「どういった条件で求めているのか」など、こうした内容を把握しておくことは面接対策にもつながります。
6.リスクは何か
これまではどちらかというとポジティブなポイントでしたが、業績や、競争環境などのリスクを検討してみましょう。ベンチャーやスタートアップなど、スピード感の早いビジネスでは、1年後にどうなっているかは予測がつかないものです。今後、どのようなリスクがあるかということは、最低限踏まえた上で選択をすることが重要です。
ここまで挙げたポイントのうち、どれかひとつで決め打ちするのではなく、これらを複合的に踏まえる必要があります。その際に気をつけなければいけないのは、単なる企業評論家やアナリストになってはいけないということです。
転職活動のゴールは、その企業に自分が入社して、仕事において活躍することです。それを忘れて「会社選びの正解」や「会社が自分に何を与えてくれるのか」ということだけを追求してしまうと、成功とはいえない転職につながってしまうケースにもつながります。あくまでも「(自分の)活躍の場を選ぶ/選んでもらうのだ」という前提を忘れないようにしましょう。