コンサルティングファーム出身者は、業界業種を問わず求人が絶えない市場価値の高い人材です。なぜ転職市場で評価が高いのか。ポストコンサルが優良成長企業へ転職する際に気になる「年収ダウン問題」や転職を成功させるポイント、将来のキャリアステップなどをご紹介します。
- 目次
ポストコンサルとは?
ポストコンサルとは、コンサルティングファーム在籍の現役コンサルタントが次のキャリアを目指すことを指します。なお、優良成長企業が求めるポストコンサルの募集条件は、概ね下記10~15社のファーム出身者が大半を占めています。
【コンサルタントの主な出身ファーム】
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン コンサルティング グループ(BCG)
- ベイン・アンド・カンパニー
- A.T.カーニー
- ドリームインキュベータ(DI)
- ローランド・ベルガ―
- アクセンチュア
- 経営共創基盤(IGPI)
- コーポレイトディレクション(CDI)
- アーサー・D・リトル
- プライスウォーターハウスクーパース(PwC)
- アーンストアンドヤング(EY)
- デロイト・トーマツ など
コンサルタントが求められる背景
コンサル出身者は、ベースの能力が高く、経営の視点からさまざまな業界の経営課題、事業課題を解決してきた経験を持ち、業界を問わず活躍できることから、「幅広いイシューに対応できる存在」として市場から高い評価を受けています。もちろん、スタートアップ/ベンチャー/メガベンチャーなどの優良成長企業では、常に求められている人材であり、募集が絶えません。
評価されているのはコンサルティング技術や、携わったプロジェクトで得た専門知識ではありません。むしろ「まったく新しい問題に直面してもたじろがず、ゼロベースで思考して解決する能力」が評価されています。
また、コンサルタントは若くして大企業の経営陣と対話する機会が多く、いわゆる「偉い人」への対応に慣れていることも重宝されます。スタートアップ/ベンチャーは平均年齢が若く、大企業の組織力学を踏まえた大人の動きができる人材が少ないというケースが見受けられます。このような場合にも「考えて、座組を作って、仕切れる」人材は活躍できる場面が多くあります。
ポストコンサルの選択肢
過去の実績によると、大多数のポストコンサルが経営企画あるいは事業開発のポジションに就いています。中には事業部門を経験していないことに課題感を抱き、企画部門ではなく、あえてPL責任を伴う事業部門への転職を望む方もいっらっしゃいます。このような方は、事業部長やCOOなどのポジションを目指すことが多いようです。
年収ダウン問題
コンサルティングファームを中心としたプロフェッショナルファームは通常の事業会社に比べてはるかに高い給与水準といえます。事業会社へ転職すると、年収がダウンすると指摘されることが少なくありません。しかし、10年前に比べると状況は大きく変わっています。目指す企業やその方の実力や経験によっては、年収がダウンしないケースもあります。
その背景は、スタートアップ/ベンチャー企業の資金調達力が上がったことがあります。優秀な人材を迎えられる資金を確保しているスタートアップ/ベンチャー企業への転職であれば、大幅な年収ダウンは避けられます。また、ベース年収にストックオプション(SO)を付加して条件提示するケースもあるため、会社が上場し、時価総額を上げればコンサルティングファーム時代よりはるかに高い資産を得られる可能性があります。
また、スタートアップ/ベンチャー/メガベンチャーへ転職したほうが、一般大企業よりむしろ高い年収を得られるケースが少なくないことは、知っておいた方が良いでしょう。大企業のように硬直的な給与テーブルではないため、スタートアップ/ベンチャー/メガベンチャーは本当に欲しい人材に対して柔軟に報酬を設定できることが多くあります。
うまくいくポストコンサル、うまくいかないポストコンサル
市場価値の高いポストコンサルですが、すべての転職がうまくいくわけではありません。うまくいくかどうかは、概ね「2つ」の能力に起因することが多いようです。
戦略を実行に落とせる能力
基本的にコンサルタントは、仮説をもとにファクトをロジックで積み上げ、分析し、戦略をつくることを得意としています。ただし、これを実行に落とせるかどうかは、人により異なります。
うまくいかないポストコンサルは、戦略を実行に落とせない原因を「事業会社の社員の能力が低いから」の一言で済ませてしまいがちです。一方、うまくいくポストコンサルは、事業会社の現有戦力まで加味した上で、現実的かつ効果的な実行計画を描くことができます。さらに、戦略を実行に落とせない場合、現場で人員を動かして戦略の遂行をサポートする能力を併せ持っています。
いろいろな人とうまくやれる能力
人員を動かすためにかかせないのが「いろいろな人と」うまくやれる能力です。コミュニケーション能力に欠けるポストコンサルは、どれだけすばらしい絵を描けても、上から目線の態度になりがちで、現場の反発に遭うことが多く、その価値に見合う成果を残すことが困難です。開成、東大、マッキンゼーでは出会わなかった人たちと一緒に、現場を動かしていく必要があるからです。
コンサルティングプロジェクトのカウンターパートやインタビュー対象者として、一定期間だけ一緒に働く人たちではありません。まさに同じ船に乗る仲間として、日々、年単位で関係が続くわけですから本質が全く違います。
この2つの能力を兼ね備えたポストコンサルは、どこにいっても成功を納め、企業の欠かせない戦力となるでしょう。
ポストコンサルのキャリア、将来は?
経営企画や事業開発でスタートしたポストコンサルは、COOやCSOなどの幹部への昇進が見込まれます。ただし、自身で事業を手掛けていないことにコンプレックスを抱き、役職にこだわらずあえて事業部門への異動を望むポストコンサルも一定数存在します。
また、メガベンチャーに育てた後、もう一度、小さなスタートアップ/ベンチャーへ転職して再度事業を育てたいと考える方も少なくありません。
プロコミットキャリアのポストコンサルへの転職支援
プロコミットキャリアは、数多くのポストコンサル転職を支援してきた実績があるので、コンサルティングファームでどんな仕事をし、何が起きているのか、事業会社へ転職した後で何が起きるのかを熟知しています。
また、自分ひとりで転職活動をした結果、ポストコンサル転職がうまくいかなかった方からの相談も数多く受けてきました。その経験から、その方の志向や希望に合うのは、どのようなフェーズの、どういうカルチャーの企業なのかも理解できるため、能力を発揮できる転職先をご紹介することができます。
プロコミットキャリアでは、ポストコンサルへの転職にご興味のある方に、無料で転職相談を承っています。転職を熟知したコンサルタントが、転職に関するアドバイスから企業情報紹介、面接のセッティング、内定前後の手続きまで一貫してサポートします。ご利用はすべて無料です。お気軽にご登録ください。