スタートアップやベンチャー企業も、今はコンプライアンスを守りながら事業を拡大することが求められており、法務の重要性は高まる一方です。法務の具体的な仕事や、転職に有利になるスキル、評価の高い法務経験などについてご紹介します。

目次

法務の仕事・業務内容とは？

企業活動の中で法律に関わる業務を担当するのが法務です。スタートアップ／ベンチャー／メガベンチャーなどの優良成長企業は、法律も未整備の新しい市場を創造することが多いため、法律に抵触したり、他社の権利を侵害したりしないようにする必要があるため、法務の役割は極めて重要です。

法務の業務は多岐に渡りますが、主に以下の5つに大別できます。

契約

他社との取引の際に必要な契約書を作成したり、ビジネスに関するリーガルチェックを行ったり、取引先との契約書をチェックしたりする仕事です。係争・紛争が起きることを防ぐため、法的抜け穴がないようしっかりチェックすることが求められます。

訴訟対応

紛争、訴訟に発展したとき、外部パートナー（弁護士、司法書士、社会保険労務士等）と連携して対応する業務です。

コンプライアンス

社会市民として企業の信頼性を保つため、組織全体や従業員が法令順守（コンプライアンス）を徹底できるようにする業務です。

会社法、株式関連法務

企業活動を行っていく上で必要な法的諸業務に対応する業務です。主に会社法に基づき、株主総会の開催や役員の選任などを行ったり、子会社の設立手続きを行うなど、法的に定められた手続きの順守や書類の作成・提出などに関わる仕事を行います。

特に、スタートアップ／ベンチャー／メガベンチャーなどの優良成長企業は、上場・未上場に関わらず株式に関わる業務が数多く存在します。例えば、株式発行による資金調達をしたいが会社支配権は守りたいというときに「種類株」が発行されることが多くなってきましたが、その際に法的要件をしっかりチェックするのは法務の仕事です。

知的財産法務

特許・商標・意匠に関わる知財に関する法的対応の仕事です。大手企業では「知的財産部」という専門部署が担うこともありますが、スタートアップ／ベンチャー企業の場合、法務が担当することが一般的です。関わる外部プレイヤーとして弁理士が加わります。

法務に求められるスキルと素養

法律の知識と経験は極めて重要ですが、スタートアップ／ベンチャー／メガベンチャーなどの優良成長企業が求めているのは、「リーガルマインドとビジネスマインドを併せ持つ人材」です。リーガルマインドを持ちつつ、「なぜ事業部がこの契約を嫌がるのか」、「事業部はこの契約で何を得たいと思っているのか」などをビジネスの視点で理解できる人材は、採用市場で高いニーズがあります。

もうひとつの重要な素養は、ブレーキを掛ける「守りの法務」に加え、アクセルを踏む「攻めの法務」ができることです。スタートアップ／ベンチャー／メガベンチャーなどの優良成長企業は、世の中にないビジネスモデルでサービスを提供するため、何か問題が起きたときに判例が存在しないことが少なくありません。

そのような場面では、「守りの法務」しかしてこなかった人材ではなかなか対応できません。法的リスクをしっかり理解しながら、問題をブレークスルーできる「攻めの法務」ができる人材が、これからの法務に求められています。

法務に就く人のバックグラウンド

基本的には、事業会社の法務部経験者もしくは弁護士、司法書士などの経験者が就く仕事です。未経験者でも、法学部出身など法律を学んでいることはある程度の前提条件となります。大手有力ITベンチャーでは社内弁護士が複数名いることも珍しくありません。

法務経験者でも、前職が上場企業、上場準備企業、未上場企業かで採用市場の評価は分かれます。同業の法務経験があると転職を有利に進められることは確かです。特にIT関連の事業会社で法務経験がある人の市場価値は高いと考えて良いでしょう。

法務のキャリア、将来は？

法務はスペシャリストであり、経営メンバーに加わるケースは一般的とまではいえません。しかしながら上場企業の社外取締役や監査役には弁護士資格保有者を多く見つけることができます。法令遵守の重要性から、この傾向は今後もますます加速するものと思われます。スペシャリストゆえに採用市場でのニーズは常に高く、オファーを受けて好条件の企業へ移るケースが多い職業といえます。

プロコミットの法務への転職支援

メガベンチャーやユニコーンを目指すスタートアップ／ベンチャー企業では、近年、法務の重要性が非常に高まっています。なぜなら上場を目指す、もしくは上場している企業に対するコーポレートガバナンスやコンプライアンスの圧力が強まっているからです。これからは、いかに法令を遵守しながら事業をスケールさせていくかが、成長企業の重要なテーマなので、法務経験者のニーズはさらに高まるでしょう。

プロコミットの強みは、こうした成長企業目線から法務の重要性と希少性を理解していることです。また、プロファームから事業会社への転職に関する豊富な実績もあるので、事業会社への転職を考えている弁護士の方のお力にもなれますので、気軽にご相談ください。

プロコミットでは、法務への転職にご興味のある方に、無料で転職相談を承っています。法務の仕事内容を熟知したコンサルタントが、転職に関するアドバイスから企業情報紹介、面接のセッティング、内定前後の手続きまで一貫してサポートします。ご利用はすべて無料です。お気軽にご登録ください。