スタートアップ/ベンチャー/メガベンチャーなどの優良成長企業において、CFOは資金面から経営を担う重要なポジションです。CFOへの転職をお考えの方に、その仕事内容や求められるスキル、未経験でもなれるのかなど、CFOになるための情報をまとめてご紹介します。
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CFOの仕事・業務内容とは?
CFOは、日本だと財務最高責任者と訳しますが、財務だけではなく経営にもコミットする重要なポジションです。CFOが管掌する仕事は多岐に渡りますが、主要業務は以下の7つに分類できます。
財務・資金調達
企業の資金ニーズと事業計画を把握した上でキャッシュフローをマネジメントし、必要な資金をデット・ファイナンス(銀行からの借り入れ)あるいはエクイティ・ファイナンス(株式発行により投資家から募る)などの手法で調達します。
経理
会社の入出金を管理し、年次、月次、四半期の決算を締め、財務諸表を作成する仕事です。
管理体制の構築・内部統制
不正取引などが起きないよう社内ルールや組織を管理する仕事(内部統制)です。IPO準備企業では、監査法人のショートレビューに基づいた体制づくりもCFOの重要な仕事です。
IPO準備
上場に向けて監査法人、証券会社、機関投資家、既存株主などのステークホルダーに対応するとともに、会計の透明化、財務健全化などの体制づくりを担います。
IR
投資家に自社の財務状況や経営戦略などの状況を説明する仕事です。未上場のスタートアップ/ベンチャー企業では、エンジェル投資家やVCなどへの説明がメインですが、上場企業の場合、証券アナリストや機関投資家のファンドマネジャーなど、プロフェッショナルと対峙するので高いレベルの説明能力が求められます。
財務戦略(M&A、投資)
オーガニックグロースを越えた成長を実現するための戦略を計画・実行・管理する仕事です。M&Aの活用など、B/Sを活用した戦略などがこれにあたります。
人事総務系
本来、人事や総務は財務でも会計でもなく、CFOのスキルセットの中にはありません。しかしながら、スタートアップ/ベンチャー企業では、CFOは財務・経理だけではなく人事や総務を含む管理部門全般を任されることが多くあります。
ベンチャーのCFOに求められる特殊性
スタートアップ/ベンチャー企業は、経理と財務がはっきり機能分化していないため、CFOの肩書きでも当初は財務(Finance)よりも経理(Accounting)の比重が大きいことがよくあります。企業規模によっては、人事や総務、IRまで担当することもあります。たとえファイナンスの専門家でも、最初は会計をしっかり見ることを想定しておいた方が無難です。最初からCFOで採用されるケースももちろんありますが、まずCFO候補として入社し、実力や人柄を見極めた上で昇格させるケースが多くあります。
CFOに求められるスキルと素養
CFOには、財務・経理の専門スキルはもちろん、経営の視座と高いレベルのマネジメント力、そして意外なほど「人柄」が求められます。特にIPO準備企業ではその傾向が顕著です。たとえば内部統制強化に向け、事業部門を説得していい加減な経費ルールなどを正すといった場面があるので、数字やロジックだけではなく、相手を納得させて動いてもらえるだけの人柄も重要です。また、会計や財務の知識・スキルに加え、「事業理解力」を持っていることがCFOとして非常に重要です。CFOまで昇進する人とそうでない人の大きな違いがここにあります。
CFOができる人のバックグラウンド
有力企業のCFO経験がある人は、採用市場で圧倒的に有利です。もちろん、上場企業か、上場準備企業か、非上場企業か、どのレベルでCFOを経験したかで市場の評価は異なります。
CFO未経験者でも、公認会計士はCFO候補として採用される可能性があります。通常、監査法人の会計士にはファイナンスの経験はほぼありませんが、スタートアップ/ベンチャー企業では当初、経理の比重が高いので、問題にならない場合があります。また、会計士のようなライセンスホルダーは、取締役に名を連ねていると上場関連プレイヤーから安心感を持たれ、企業の信頼につながりやすいので、その理由で公認会計士をCFOに採用したいという企業もあります。もちろん入社後にファイナンスや事業について急速なスピードでキャッチアップしていくことは必須です。
投資銀行出身者もCFO候補の一人です。特に、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーなどの外資系出身者がCFOを務めるベンチャーをよく見かけるようになりました。国内証券会社でも投資銀行部門の出身者は、採用市場で評価されています。ただし、証券会社のリテール営業部門や、メガバンク(商業銀行)で貸出業務を中心にしていた方がCFO候補になることは、あまりありません。
また、戦略コンサルタントで、前職が金融や会計という方は多くの企業がCFOとして迎え入れたい人材の一人です。「事業理解力」に強みがあるからです。
CFOのキャリア、将来は?
資金面から企業全体を俯瞰的に捉え、経営戦略にも直接関わるCFOは、CEOに極めて近い存在ですからトップのポジションといえます。CEOとともに会社のビジネスを手掛けるうちに事業系の手腕を買われ、CFOからCOOなどの事業寄りの役割へ移る人はいます。
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